ここはなんと言っても「名物おばさん」。肝っ玉母さんを抱腹とする女性が店を切り盛りしている。それに従うように、従業員の方々が手際よく動くそのような光景を見ながら、不思議にみんなが気楽に飲んでいる。そんな感じの店である。
混んでいるときは行列が出来ることが多い。店は意外と広いのだが、曲がりくねったカウンターをしょゅたいとして構成され、厨房側が意外と廣い。カウンターは道路側近くに配置されているので出入りは直接引き戸からと言うことになる。
この日も行列。運良く「一人客居ますか」の声かけ、思わず手を挙げてしまう。ガラス戸から一人分空いた席に侵入。落ち着く。通常はここの名物「元祖ハイボール」を頼むべきであろうが、喉が渇いているのでビールを所望する。
つぎは難関の「焼きトン」の注文。4本で320円。素直に4本単位で頼めば問題は無いのだが、一人で4本というのはなかなか難しい。そこで盛り合わせをいつも思うのだが「・・・2本、混ざります・・・、は入ります・・・。」等の流れるような説明でいつも解らない。気の弱い私は、ついつい「はい」と言ってしまう。今日もそうなってしまった。
私の希望は、「レバー」と「かしら」を食べたいと言うもの。しかし、選んだものは「てっぽう3本」「レバ・かしら各2本」の2皿セット。これであれば、4本セツト二皿が良い。ホルモン系をこの好まない私は、どうもゴム系の内蔵は難しいのだが、ここのてっぽうは食べられる。たぶんにんにくが入ったタレのおかげであろう。当然セットはタレの具合も聞いてくれない。
そのように頼み方のテクニックも必要な店。そんなところもおもしろい。レバーは表面がかりかりとなっているものの内部がジューシー。美味しい。カシラは葱と脂身が盛り込まれたもの。ボリュームが有り美味しい。一人の焼き手が多くの注文をさばいている。すばらしい流れである。
当然ハイボールも注文。最近は機械で自動的に配合されるらしい。モツ焼きに合う味である。